外国人はニュージーランドで家を買えない!?

2018年8月16日

去年の10月末、ニュージーランドでは「海外投資法」が改正され、外国人の中古住宅購入を規制する考えを明らかにしていたのをご存知でしょうか。

ここでいう外国人とは、ニュージーランドに居住権を持っていない外国人という意味です。

house.jpg

アーダーン首相は外国人ということに関して特定の国名には触れてはいないのですが、中国人による不動産の爆買いが主な原因との見方は間違いないようです。先進諸国が外国人の不動産購入禁止を法令化するのは極めて異例なことで、ニュージーランドが初めてだそうです。

大きな物件の七割近くの物件が通常価格の15%から20%増しという法外な値段をつけた中国人の富裕層によって買い占められているとの報道もあります。

今年に入って、新たに新築住宅の購入の規制も対象として加えられました。

この規制の背景はいくつかありますが、中国人投資家を主とする過度な投資も国内住宅価格を高騰させ、多くの国民が住宅購入難に悩んでいるということもあります。特に若い人たちは大変だと私の周りでも言われています。

25年前は不動産保有率は国民全体の75%だったそうですが、2018年現在は64%まで減少しているそうです。

オークランドの住宅価格が上がり、オークランドには家を購入できないニュージーランド人や移民の人たちは地方へと生活の場を広げようとしていて、今度はその地方の不動産価格も高騰するという状況です。

私が住んでいるニュージーランドでも田舎であるベイオブアイランズの不動産も軒並み高騰していて、また新築物件ラッシュにもなっています。(田舎ではありますが、国内有数のマリンリゾート地であるため、元々比較的高額物件も多い地域なんですが)

house2.jpg

では現在はどうなっているのでしょうか。

今年6月、新築の20戸以上の開発物件については外国人が所有してもよいということが発表されました。

ただ、所有はできるのですが、賃貸運営の投資用として提供するということが前提で、購入した外国人本人が住むという形では所有ができなくなったようです。

現時点では正式に法律が確定してはいないのですが、この点はほぼ確定とみて間違いないようです。

日本の不動産は購入した瞬間から価値が下がっていってしまい、ローンを払い終える頃には二束三文とも言われていますよね。でもニュージーランドではそういうことがありません。場所や不動産売買状況などにも左右はされますが、築10年でも20年でも30年でも基本的にあまり変わらないと思います。そういう意味(というか、日本以外ではそういう国って少なくないそうです)でもニュージーランドでは家は借りるより買うに限ります。

例えば16年前に建てた我が家ですが、今売るとかなり高く売れ、金銭だけで見れば儲かります(笑)

この規制の背景には、ニュージーランドが中国資本による巨額な流入に対する強い不安と懸念を持っているということを浮き彫りにしているわけですが、そう思ったらトントンと話を進め、法令改正をサッとやってしまうニュージーランドはある意味すごいなぁと思いました。そして、ニュージーランドの勇気というか、決断力というか、行動の速さというか・・・にはなんか感心してしまいます。

また動きがあったらお伝えしますね。

ところで、日本は・・・大丈夫でしょうか!?

関連記事