オークランドはなぜ短期間でまたロックダウンになってしまったのか?

2021年2月28日

昨日速報的に記事をアップしましたが、今朝6時から1週間、オークランドは警戒レベル3のロックダウン、その他全国はレベル2となりました。

昨夜緊急で閣僚会議が行われ、その後夜9時からアーダーン首相が緊急会見を開き、今回の発表がありました。

2週間前に3人の市中感染が発覚してオークランドが3日間のレベル3ロックダウンになってから、昨日時点では12人の市中感染者が報告されています。

2週間前の前回のロックダウン以降オークランドもレベル2、そしてレベル1へと下がっていったのですが、レベル1になって5日後にまたレベル3のロックダウンとなってしまいました。

日よっては2~3人の市中感染陽性者が出た日もあるにも関わらず、昨日陽性と判明したのは1人で、なぜこの時点でニュージーランド政府は急遽オークランドのロックダウンを決めたのでしょうか?

ニュージーランドのニュースやニュースサイトなどを参考に大まかに流れを追ってみますが、私も全てのケースを把握しているわけではありませんし、ここに書くことも詳細はかなり省いた大雑把なものですのでご了承ください。

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今回の「オークランド2月クラスター」と呼ばれるクラスター発覚後、最初の家族3人の中の子どもが通っているPapatoetoe パパトエトエ高校では濃厚接触者と見られる人から始まり、生徒、教師、スタッフ全員が検査を受けることになりました。

検査結果がわかる前にその子がバイトをしていたお店でもスタッフの検査や、その子が働いていた時間にそのお店を訪れた人に検査を呼びかけたりしていました。もちろん同じく陽性であったご両親の仕事先なども同様です。

ニュージーランドでは、陽性者が判明するとその後その人が訪れた場所と時間帯が発表されます。

陽性者に関わった可能性が強い人は自宅待機を要請され、検査を受けた場合は少なくとも陰性が確定するまで自宅待機を求められます。

にも関わらず、出かける人もやはりいて、そういう人が陽性になってしまったこともあり、そこからまた同じような工程で濃厚接触者探しから始まり、訪れた場所確定へというステップを踏むことなり、ニュージーランド政府としてもかなりストレスを感じていたのは間違いないようです。

パパトエトエ高校は休校となり、やっと通学できるようになったと思ったら生徒の1人が新たに陽性となり、一日の通学日で休校に逆戻りしたこともありました。

そんな諸々の後の昨日陽性と判明した21歳の男性(A君とします)は、パパトエトエ高校に通っているある男子(B君とします)のお兄さんです。

A君は金曜日(2/26)に検査をし、土曜日(2/27)に陽性と判明しました。

先週末から症状が出始めていたA君は、自宅待機を要請されていた1人のようなんですが、検査をする金曜日まで大学に通い、ジムにも行き、普通にスーパーマーケットや飲食店、ショッピングセンターにも行っていたそうです。金曜日に検査をした後もジムに行ったそうです。

パパトエトエ高校に通う弟のB君は症状はなく、3回受けた検査も陰性と出ているのですが、2人のお母さんは陽性と判明しています。

いちばん可能性が高そうなB君は今のところ陰性なので、お母さんとA君の感染経路が確定されていないことや、B君の行動により今また多くの場所と人への影響が出てしまったのは否めないことで、それが急遽ロックダウンに踏み切った大きな要因であるようです。

今回のクラスターをなかなか収束できないことにアーダーン首相もかなり憤っていました。

2週間前に大学入学でオークランドへと行った娘は行った翌日から3日間のロックダウン、そして今回の1週間のロックダウンです。

明日から大学の授業が始まる予定だったのですが、おそらく延期、もしくはオンライン授業となるでしょうね。

ちなみに寮では、基本的にはそれぞれのフラット(寝室4~5部屋の共同部屋)にいなければならず、寮内は外と同じ扱いでソーシャルディスタンスを保たなければならないそうです。

今日予定されていた大きなスポーツイベントは中止され、スポーツの試合も中止や延期になっています。3月6日に始まる予定のアメリカズカップも、レース自体は10日より前にはやらないことが決まったようです。

最後に余談というか素朴な疑問なんですが、今回の市中感染の最初はイギリス変移種とのことで最初は身構えたり心配していた人も多いんですが、感染力が強いと言われている割には陽性者の増え方は少ないような気がするのは私だけでしょうか。

前回、2月14日午後11時59分から3日間のレベル3ロックダウンの時のオークランド地方とその他の地方の境界での検問の様子です。1週間またこんな検問があるんでしょうね。

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