【八百万の神々】 ニュージーランドとポリネシアと日本のつながり《5》
ニュージーランドを含むポリネシアと日本のつながりをいくつか話題にしてきましたが、ここでは信仰や宗教感に目を向けてみたいと思います。

キリスト教(や他の宗教)を信仰しているマオリの人たちも、昔から心に根付いた信仰的感覚や文化は忘れていないと思います。
日本と同じように、自然への脅威や尊敬の念は今も根強くあるように感じます。
例えば、クリスチャンのマオリの人に地域のとある場所には絶対行っちゃだめだよと、実際に私は言われたことがあります。
「なんで?」と聞くと、「スピリチュアルな場所だから。」とのこと。
このような「タプ Tapu」と呼ばれる場所や物はニュージーランド中にあります。マオリの人が大切にしている神聖な場所/物のことです。立ち入ったり触ったりすると災いがあると言われています。
これもクリスチャン的考えではないと私は感じます。日本人にも理解できる感覚ではないでしょうか。
ちょっと余談ですが、マオリの方のキリスト教普及率はちょっとわからないのですが、日本の場合はカトリックとプロテスタントを合わせても百万人程度で、人口の1%にも満たないそうです。一神教を信じる人間がこれほど少ない国は他にないと言われるくらいの数だそうです。

マオリの人たちは日本人と同様に手先が器用で、伝統的な彫刻は見事なものです。マラエ(集会所)、おみやげ屋さんにある木彫りの置物やペンダント、ワカ(戦闘用かカヌー)などで見たことがある方は多いと思います。
それら一つ一つにも精魂込められた魂が入っていますし、とても大事にされるものです。日本でも長年使ってきた針を捨てるのではなく感謝する針供養などにも見られるように、「物」に対しても魂といういうか、その「物」の神みたいなものを見出しますよね。
また、日本でも「森の神」とか「山の神」とか「海の神」とかを恐れ敬うように、マオリの人たちにも「森の神」とか「山の神」とか「海の神」といった考え方があります。
北島西海岸の「タネ・マフタ Tane Mahuta」はその姿もさることながら、その意味はマオリ語で「森の神」という意味です。

《タネ・マフタ Tane Mahuta》
2人の間に6人の子どもが生まれ、それぞれに森の神、風の神、海の神、戦いの神、農耕の神、平和の神としての役割が与えられました。
日本の古事記でも、日本の始まりはイザナギとイザナミという夫婦で、子供が何人かは諸説あるようですが、風の神、木の神、山の神、海の神、川の神、岩の神、石の神、火の神などがいたと言われています。
とても興味深く、またとても似たような「始まりの神話」ではないでしょうか。
みなさんはどのように感じたでしょうか?
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☆神聖な場所
日本と同様にマオリ社会にもキリスト教が普及していますが、日本もマオリも外来の宗教に融合されたり忘れ去られたりすることなく、現在も固有の信仰や習慣が受け継がれていると言っていいと思います。キリスト教(や他の宗教)を信仰しているマオリの人たちも、昔から心に根付いた信仰的感覚や文化は忘れていないと思います。
日本と同じように、自然への脅威や尊敬の念は今も根強くあるように感じます。
例えば、クリスチャンのマオリの人に地域のとある場所には絶対行っちゃだめだよと、実際に私は言われたことがあります。
「なんで?」と聞くと、「スピリチュアルな場所だから。」とのこと。
このような「タプ Tapu」と呼ばれる場所や物はニュージーランド中にあります。マオリの人が大切にしている神聖な場所/物のことです。立ち入ったり触ったりすると災いがあると言われています。
これもクリスチャン的考えではないと私は感じます。日本人にも理解できる感覚ではないでしょうか。
ちょっと余談ですが、マオリの方のキリスト教普及率はちょっとわからないのですが、日本の場合はカトリックとプロテスタントを合わせても百万人程度で、人口の1%にも満たないそうです。一神教を信じる人間がこれほど少ない国は他にないと言われるくらいの数だそうです。

☆全てのものに宿る神
また、マオリと日本の土着信仰というか宗教観というかは似たようなところがあると思います。それは、生命が宿っている宿っていないに関わらず、この世に存在するものの全てに神または聖なる力が宿ると捉えるところです。マオリの人たちは日本人と同様に手先が器用で、伝統的な彫刻は見事なものです。マラエ(集会所)、おみやげ屋さんにある木彫りの置物やペンダント、ワカ(戦闘用かカヌー)などで見たことがある方は多いと思います。
それら一つ一つにも精魂込められた魂が入っていますし、とても大事にされるものです。日本でも長年使ってきた針を捨てるのではなく感謝する針供養などにも見られるように、「物」に対しても魂といういうか、その「物」の神みたいなものを見出しますよね。
また、日本でも「森の神」とか「山の神」とか「海の神」とかを恐れ敬うように、マオリの人たちにも「森の神」とか「山の神」とか「海の神」といった考え方があります。
北島西海岸の「タネ・マフタ Tane Mahuta」はその姿もさることながら、その意味はマオリ語で「森の神」という意味です。

《タネ・マフタ Tane Mahuta》
☆神話から始まる
マオリ創世記みたいな神話があるのですが、昔、夫で男性神である空の神と妻で女性神である大地の神がいたそうです。2人の間に6人の子どもが生まれ、それぞれに森の神、風の神、海の神、戦いの神、農耕の神、平和の神としての役割が与えられました。
日本の古事記でも、日本の始まりはイザナギとイザナミという夫婦で、子供が何人かは諸説あるようですが、風の神、木の神、山の神、海の神、川の神、岩の神、石の神、火の神などがいたと言われています。
とても興味深く、またとても似たような「始まりの神話」ではないでしょうか。
みなさんはどのように感じたでしょうか?
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